IllustratorはAdobeが提供しているデザインツールです。世の中には様々なデザインツールがありますが、Illustratorはその中でも使いこなせるようになるまでに覚えなければならないことが多く、ここで断念してしまう人も少なくありません。

今回は、Illustratorの使い方を学ぶためのおすすめの6つのステップをご紹介していきたいと思います。一度挫折してしまった人も、この機会に再挑戦してみてはいかがでしょうか。

Illustratorとは


Illustratorは、Adobeが提供しているベクター素材を扱うためのツールです。よくPhotoshopとの違いを聞かれることが多いのですが、簡単に説明すると下記のようになります。

Illustrator
ベクター画像を扱うツール。ロゴやイラストなど、図形を描画やレイアウトを作成する場合に利用することが多い。
Photoshop
ビットマップ(ラスター)画像を扱うツール。写真や素材の編集・加工を行う場合に利用することが多い。

このように、Illustratorはベクター画像、Photoshopはビットマップ画像を扱うツールとなっていますが、ロゴやイラストなど、0から描き上げるようなものはIllstratorを使って作成するのが一般的です。

なぜIllustratorを使えるようになるのが難しいのか

Illustratorを使いこなせるようになるのが難しいと思われている一番の理由が「ベクター(ペン)ツール」を使わなければならないというポイントです。単純な図形であっても、操作方法が複雑なので思うように作成することができず、ペンツールの使い方を覚える前に挫折してしまうという人もよく耳にします。

Sketchのような初心者でも簡単に扱うことができるUIデザインツールもありますが、ロゴやイラストのような細かい調整が必要なデザインを作成する場合にはIllustratorは欠かせません。

しかし、様々な機能を使える反面、色々な操作やテクニックを覚えなければ満足に扱うことができないというデメリットもあります。

Illustratorおすすめの勉強法

Illustratorを扱えるようになるためには、まず基本的な知識を覚え、その上で様々なテクニックを身につけていかなければなりません。これまでの経験を活かし、Illustratorの使い方を覚えるためのおすすめの勉強法をご紹介していきます。

1. まずは入門書で基本を覚える

いきなりWebサイトの情報を元にIllustratorの勉強を始めようとする方がいますが、これはおすすめできません。なぜなら、Webで紹介されている多くの情報が「作成例」の紹介だからです。「○○の作り方」のように、具体的な事例についていきなり説明を読んでも、基本が身に付いていなければ全く付いていくことができません。

まずは、一冊でいいので入門書をしっかり読み込むことから始めましょう。おすすめのIllustratorの入門書を下記にご紹介しておきます。

Illustratorのおすすめ入門書

2. チュートリアルをひたすらこなす

書籍を読んで基本を身につけたら、次は実際に作成する手順をチュートリアルから学びます。Illustratorは様々な図形の組み合わせ、変形でイラストを作成していくのが一般的ですが、これが書籍だとなかなかしっかりと学ぶことができません。まずは、色々なチュートリアルを動画でみたり、Webサイトで読んだりしてみてください。

いくつかチュートリアルを見たら、次は実際に手を動かして同じように作成してみましょう。この時、いきなり難しいものに挑戦するのではなく、できるだけ簡単そうなものにするようにしましょう。

どれだけ簡単なイラストであっても、全くの初心者がIllutratorで作成しようとすると結構時間がかかってしまいます。基本的な操作が身につくまでは、まず簡単なチュートリアルを色々とこなしてみましょう。

Illustratorのチュートリアルはこちらを参考にしてみてください。

3. 逆引き書でテクニックを学ぶ

チュートリアルをこなしているうちに、Illustratorの使い方が段々分かるようになってくると思います。そろそろ次のステップへ進みたいと思ったら、次はもう一度書籍でテクニックを学びましょう。

同じイラストでも作り方が色々とあるため、テクニックを活用することによって綺麗に作成できたり、効率よく制作を行うことができます。中級者向けの書籍も色々と発売されているため、それを読んで少し応用的な内容のテクニックを学んで下さい。

Illustratorのテクニックが学べるおすすめ書籍

Illustratorのテクニックを学ぶ場合はこちらの書籍がおすすめです。

4. 上級者向けのチュートリアルからテクニックを学ぶ

ここまで辿り着いたあなたは、きっとIllustratorの初心者ではなく、すでに「中級者」レベルになっているはずです。一定のレベルに達したら、後はプロが使うテクニックを真似していくのが最も効率が良いでしょう。おそらく身の回りに時間を取ってレッスンをしてくれるプロクリエイターはいないので、またチュートリアルを活用するのがおすすめです。

今度は少し難しめのチュートリアルを見てみて、色々な「技」を身につけていきましょう。

5. プロのイラストをトレースする


そろそろIllustratorも思うように操作できるようになってきて、完成形のイラストを見たらなんとなく作り方が想像できるようになっていると思います。ここまで来たら、次はプロのクリエイターが作成したイラストを見ながら、同じように自分で作成してみて下さい。この時、全く同じものを作る必要はありませんが、できるだけ同じように作るというのがポイントです。

おそらく、1つ目の作品のトレースから作り方が分からない所が色々と出てくると思います。そんな時はこれまでに読んだ書籍やチュートリアルの中から使えそうな技が無いか振り返ってみましょう。もし、それでも分からない場合は、題材にしているイラストが複雑すぎるかもしれません。その場合はトレースの題材を変更して、もう少し簡単なものに挑戦してみましょう。

Dribbbleは今デザイナーに最も人気のデザインSNSで、日々優れた作品が公開されています。気になる作品を見つけてみて、トレースに挑戦してみましょう。その他のおすすめサービスは下記のページをご覧ください。

6. オリジナルの作品を作る


Illustratorの使い方を理解できて、思い通りに扱えるようになっても、自分の作品を制作することができなければ、まだIllustratorマスターとは呼べません。

オリジナルの作品を作成してみて、ツールの使い方を身に付けると共に、オリジナリティを磨いていきましょう。プロのイラストレーターといえども、それぞれの作品のスタイルはそれぞれで、どのデザイナーも自分自身の個性を前面に押し出した作品を作成しています。

デザインやイラストには正解が無いため、作品を作ってもその出来を自分では判断できないと思います。。Illustratorでのグラフィックデザインができるようになったら、今度は作成した作品を公開することをおすすめします。

色んなクリエイターが自分の作品を公開するSNSサービスや、自身のポートフォリオサイトを作成して作品を公開してみて下さい。おそらく最初は誰からも反応が無いと思いますが、いくつか作品をアップロードしているうちに少しずつ誰かが反応してくれるようになるはずです。

Behanceはデザイナー向けのSNSですが、Dribbbleのような審査も無く、世界中のデザイナーによって作品が投稿されているので、作品を投稿してみると色々なフィードバックがもらえるかもしれませんよ。

まとめ

よくIllustratorを使いこなせるようになりたいという人がいますが、実際にどのようなものを作りたいのかという目標が無いと絶対に上達することはありません。あくまでIllustratorはデザインを制作するためのツールなので、使い方を覚えるだけではだめで、どういった作品を作って誰に見せたいのか、仕事にどう活かしたいかをイメージすることで、ツールの使い方を身につけていくのに合わせて、デザインのレベルも向上させていくことができます。

まずは、いきなり使い方の書籍を購入する前に、何のためにIllustratorを使えるようになりたいと思ってるのかを、改めて考えてみてください。