2018年もまだ少し残っていますが、私たちは早くも2019年のグラフィックデザインのトレンドがどうなるのか気になって仕方がありません。

世界中のグラフィックデザインの動向をチェックしていると、2018年はグラフィック、Web、編集物、印刷物、パッケージなどのデザインにとってとても大きな一年だったと感じます。

2019年のグラフィックデザインのトレンドは、2018年から大きな変化を遂げるのか、それとも変化の無い1年で終わってしまうのか、どちらになるのでしょうか。

今回は、2019年のグラフィックデザインのトレンド予測をご紹介したいと思います。

この記事は、GraphicMamaによって公開された「Top Graphic Design Trends 2019: Fresh Hot & Bold」を許可をいただいて翻訳転載したものです。

開放的なレイアウト

まず最初の2019年のグラフィックデザインのトレンドとして紹介するのは、「開放的なレイアウト」のデザインです。

少し前までは、デザイナー達はあらゆるデザインに「フレーム」を与え、それを美しいデザインであると考えるのが一般的でした。しかし、最近ではよりオープンで、軽やかなデザインなデザインが好まれるようになってきています。

2019年は、大胆にフレームを取っ払って、開放的なレイアウトを使って驚くような魅力的なデザインが出てくるのを楽しみにしています。

それぞれのデザインが全体の中の一部を表示しているように見えますが、実際に複数のデザインを組み合わせて連続性をもたせるような遊びを施すこともできます。

このトレンドはWebデザインなどで簡単に実現することができますが、印刷物のデザインにおいても同様に取り入れることができます。

開放的なレイアウトは、それを見る人の想像力を掻き立て、他の場所には何があるのかという興味を生み出します。

Webデザインはグラフィックデザインの一部として、2019年は開放的なレイアウトによるインタラクティブなWebサイトによって様々なユーザー体験をもたらすことでしょう。

3Dデザイン

3Dデザインは、トレンドというよりはもはや定番のデザインとなりつつあります。

ここ数年間、人気のデザイン手法として、3Dを取り入れたデザインの数は増えてきており、2019年はよりたくさんの3Dデザインを見かけるようになるでしょう。

グラフィックデザイナーは素晴らしい3Dデザインを作ることによって、見る人を感動させたり魅了するようなデザインを生み出すことができるかもしれません。

3DデザインはWebデザインにおいても大きな存在感を示し、世界観を引き立てる重要な役割を果たしています。

デザイナーは、現実の世界を想起させるようなデザインや、宇宙や未来を導くデザインを3Dデザインによって生み出します。

このトレンドはとても大きな可能性を秘めており、2019年は確実に3Dデザインが注目の的となるでしょう。

タイポグラフィは、3Dを含む2019年のグラフィックデザインのトレンドの影響を大きく受けることになります。

デザインのメインビジュアルとして使われることの多い3Dのタイポグラフィは、デザイナーに幅広いデザインの可能性を与えます。

単純に3Dデザインのタイポグラフィを使用するだけであっても、2019年は様々なグラフィックデザイナーが私たちに新しい体験をもたらしてくれるでしょう。

反重力

私達はまだ空を飛ぶ自動車を目にすることはまだないかもしれませんが、グラフィックデザインの世界では確実に「反重力」の時代に到達しています。

デザインの中で要素を飛ばしたり、浮かべたりする「反重力」デザインは2019年のグラフィックデザインのトレンドとなるでしょう。

重力のない世界の中で繰り広げられるデザインの世界は、全体的に自由な感覚をもたらします。

開放的なレイアウトにも影響を受けてデザインされた反重力の要素は、ディスプレイの中に新しい世界をもたらします。

3Dデザインの手法は、反重力のコンセプトと組み合わせて使われることが多く、デザインにリアリズムの印象を生み出します。

3Dデザインはデザイナーの腕の見せ所ですが、反重力を活用したデザインはそれ以上にデザイナーの力を発揮すべき場面だと思います。

反重力のトレンドは、パッケージデザインの中にも現れており、商品に新鮮な感覚を与えます。それを見た人は、自然に好奇心をそそられ、未来的な印象を抱きます。

結果として、単純な商品でも素晴らしく魅力的な商品に見せることができるでしょう。

このように、反重力は2019年のグラフィックデザインのトレンドとして、様々な場面で見かけられるアイデアです。

鮮やかな配色

鮮やかな色の組み合わせと、夢のような色の変化やグラデーションは、2019年さらに鮮やかなデザインをもたらすでしょう。

それらは、デザインに未来的なイメージを与え、配色によって宇宙の世界に来てしまったかのような感覚を生み出します。

未来的な色を使用した魅力的な世界観を持つデザインに触れることで、デザイナーの想像力を肌を持って感じることができます。

3Dデザインと鮮やかな色のグラデーションを組み合わせるスタイルは、2019年のグラフィックデザインのトレンドにおける重要な要素の1つとなるでしょう。このスタイルは、タイポグラフィのデザインにおいても素晴らしい効果をもたらします。

タイポグラフィはグラフィックデザインの大部分を締めています。そのため、以下のような複数の色を組み合わせたタイポグラフィをよく見かけます。

メタリックなエフェクト

ゴールドは常に様々なデザインに取り入れられていますが、2019年のグラフィックデザインにおいてはその他のメタリックなエフェクトも多く登場することでしょう。

特に3Dデザインでは、ゴールドやその他のメタリックな要素がデザインに上品で独創的なデザインを生み出します。

金属に光が反射して虹色が生まれるようなデザインは、最近流行のスタイルです。光が金属の表面にあたった時に生まれる光沢を持った美しい色の表情は、魅力的で幻想的な世界を生み出します。

金属の要素、特にゴールドとレインボーは2019年のパッケージデザインに登場することが多く、贅沢さとオリジナリティを感じさせます。

よく見かける色の組み合わせは黒や白などの色にメタリックエフェクトを組み合わせるパターンですが、2019年はカラフルなパッケージデザインにもゴールドのようなメタリックなエフェクトが施されることが多くなるでしょう。

流体や液体のようなエフェクト

流体や液体のようなエフェクトは、私達が注目している2019年のグラフィックデザインのトレンド予測の重要な要素の1つです。

グラフィックデザインの中にもたらされた水面のようなデザインは、2019年の多くのビジュアルデザインで見かけられるトレンドとなるでしょう。

液体のようなエフェクトをデザインに加えるこのトレンドは、タイポグラフィに適用することによって自由なイメージを生み出します。

水は温度によって見た目も硬さも変化することを考慮すると、液体の捉え方と使い方によって様々なユニークなデザインを生み出すことができるでしょう。

液体のようなエフェクトはWebデザインにおいても同様に多く取り入れられることでしょう。

画面幅いっぱいに広げられた要素と組み合わせることによって、想像力を引き立てる神秘的な印象のWebデザインを生み出します。

液体にインスパイアされたデザインは2019年の流行になると見られています。液体が動く時に描かれる独特でかつ自然な動きは、グラフィックデザインに容易に取り入れることができます。

ふわふわ浮かんでいる要素や未来的なカラーと組み合わせることによって、幻想的で魔法のような世界観を作り出すことができます。

巨大なタイポグラフィ

タイポグラフィはグラフィックデザインにとって欠かせない要素ですが、タイポグラフィには一定の傾向が見られます。

上記にご説明したように、タイポグラフィは平面的なデザインから3Dの立体的なデザインにすることもできますし、液体のようなエフェクトを追加したり、メタリックなデザインにすることもできます。

しかし、最も注目すべきことは、タイポグラフィのサイズがどんどん巨大化しているという点です。これは2019年のグラフィックデザインのトレンドとなるでしょう。

さらに、タイポグラフィは従来よりも、よりデザインに密接に関わる要素となっています。インパクトのあるグラフィックデザインを追求するために、デザイナーは人物やなどの現実世界の要素や人物とタイポグラフィを組み合わせることによって、よりクリエイティブでインパクトのあるデザインを生み出せるのではないでしょうか。

異なるフォントやウェイトを組み合わせたり、垂直、対角、水平方向など異なる向きにテキストを配置したり、より複雑なタイポグラフィが2019年には見られるようになるかもしれません。

アウトライン化されたタイポグラフィ

最近では要素をアウトライン化してデザインに取り入れることは少なくなってきましたが、タイポグラフィのアウトライン化は非常に人気のスタイルであり、それは2019年にピークを迎えると予想しています。

巨大なアウトライン化されたタイポグラフィは、Webデザイン、インテリアデザイン、ブランドアイデンティティデザインとしてよく見られます。

2019年のグラフィックデザインのトレンドにおいては、開放的なレイアウトや3Dデザインとアウトライン化されたテキストを組み合わせたものがよく登場するのではないでしょうか。

背景が塗りつぶされたテキスト

これは少しだけ不確実なトレンド予測となりますが、背景が塗りつぶされたテキストのデザインが2019年のグラフィックデザインのトレンドになると私たちは考えています。

テキストの背景デザインは少し古くさいデザインのように思えるかもしれませんが、一方でその勢いを増してきていることも事実です。

若々しく、そして少し挑発的な印象の背景が塗りつぶされたテキストのデザインは、近い内にトレンドとなって注目されていくはずです。

新たなアートの形

クラシックなイラストデザインが流行遅れという訳ではありませんが、より先進的な新しい形のアートをグラフィックデザインに取り入れることによって、素晴らしい作品を作ることができます。そして、それこそがグラフィックデザインのあるべき姿なのではないでしょうか?

2019年、私たちはこのトレンドを取り入れた作品を目にすることになるでしょう。フリースタイルのイラストやいたずら書きのようなデザインは、見ていても楽しいものです。混沌としたストロークとその配色によって、印象的で芸術的なデザインが生まれます。

このトレンドは、すでにパッケージデザインにおいてはよく見られるようになっており、メタリックエフェクトなど他のトレンドと組み合わせて使われることもあります。

慎重に選ばれた配色と、独特な図形や線の配置によって、退屈なパッケージデザインが優れた作品に生まれ変わります。

モノクロのシンプルなコンセプトイラストにおいては、いたずら書きのようなイラストを目にすることはよくありましたが、2019年には、暗い背景に白色で描かれたイラストのような、より現代的な表現はゴールドなど他のデザインのトレンドと組み合わされていても、シンプルさを失うこと無く、美しいデザインを生み出します。

手書きのイラストは、時に無限の可能性を感じさせます。そのため、開放的なレイアウトというトレンドの中の一部としても捉えることができます。

リアリズムとフラットデザインの融合

正反対の要素はつい集まってしまうという話を聞いたことがありますか?グラフィックデザイナーは、デザインを見る人を楽しませるために、しばしば正反対の要素を組み合わせてデザインを作ってきました。

しかし、先進的で予想を裏切るようなデザインを作るということになると、デザイナーは様々なテクニックやスタイルを組み合わせてデザインを制作します。

正反対の要素であるリアリズムとフラットデザインを組み合わせたデザインは、2019年のグラフィックデザインのトレンドとなるでしょう。

Webデザイン、パッケージデザイン、印刷物のデザインなどに見られるように、現実的なオブジェクトと、イラストなどのフラットな単純化されたデザイン要素を組み合わせることは想像力や学習能力、柔軟な思考回路が求められます。

そのため、2019年のグラフィックデザインのトレンドにはリアリズムとフラットデザインの融合が入ってくると予測しています。

2019年のテーマカラー

毎年、デザイナーはその年のテーマカラーに影響を受けています。毎年、12月になるとPantoneは翌年のテーマカラーが何色なのかの発表を行っています。当然のことながら、カラーオブザイヤーに選ばれたカラーはWebデザイン、パッケージデザイン、印刷物のデザインなどグラフィックデザインに関するすべての分野に影響を与えます。

2018年には、紫色の上品で神秘的な「Ultra Violet」が選ばれました。

私たちは2019年のテーマカラーが何色なのかをまだ知りませんが、その色を取り入れたデザインは2019年のグラフィックデザインのトレンドに大きく影響することでしょう。

※先日2019年のカラーオブザイヤーが発表されました。

まとめ

グラフィックデザインは、Webデザインに与える影響がとても大きく、グラフィックデザインの動向を押さえておけばWebデザインの流れも掴むことができます

流体シェイプやタイポグラフィの巨大化、鮮やかな配色などはすでにWebデザインで顕著に表れているトレンドであり、2019年も流行のデザイン手法となるでしょう。

まだWebデザインに3Dのイラストやグラフィックをがっつり取り入れている割合はそこまで多くないかもしれませんが、その数は今後増えてくるかもしれません。

ファーストビューにタイポグラフィを使ったデザインはもはや定番の手法ですが、タイポグラフィのスタイルにアウトライン化や背景、フォントサイズの巨大化などを取り入れるとトレンドを押さえたデザインが作れるのではないでしょうか。

ぜひグラフィックデザインのトレンドを押さえて、デザイン制作に活かしてみてください。

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