Webページのアクセス解析で取得できる数字の1つが「直帰率」です。一般的に直帰率が高いサイトほどSEOで不利だと言われていますが、実際の所どうなんでしょうか?
今回は、Webサイトの直帰率の目安やSEOへの影響、また直帰率の改善方法などをご紹介したいと思います。
INDEX
直帰率とは
Googleアナリティクスに表示される指標の1つに「直帰率」があります。直帰率は「1ページしか閲覧されなかったセッションの割合」を意味しています。つまり、サイトに訪れた人の中で、どのくらいの人が1ページしか見ないで離脱してしまったかを表す数値になります。
直帰率が低いサイトというのは、あるページを見た人が他のページも見てみたい!と思って色々とページを閲覧することになるため、ページビュー(PV)数が伸びたり、セッション当たりのページビューを高くすることができます。
直帰率の目安
直帰率は、そのWebサイトによって目安となる数値が異なります。例えばブログやメディア系の直帰率の目安は70~90%と結構高い数字になっているサイトが多い一方で、コーポレートサイトなどの直帰率の目安は40~60%くらいで落ち着いているケースが多いです。
Webサイト全体の直帰率の目安は40%である。という情報が出回っているようですが、ブログやメディア系で直帰率を40%まで下げられているケースは非常に稀なケースです。自身のサイトの直帰率が80%だからといって焦ることはありません。
ブログやメディア系のWebサイトの場合、ユーザー流入の多くは検索エンジンです。しかも、ある情報を探してアクセスしているユーザーが多数を占めるため、閲覧したページにその答えが掲載されていればそれ以上他のページを閲覧する必要はありませんよね。その分、当然直帰率は高くなってしまいます。
一方でコーポレートサイトやECサイトなどは、単一のページで目的を達成する割合が低くなるため、色々なページを閲覧するユーザーの数が多くなるため、直帰率は低くなりやすい傾向にあります。
ただこれらの数値はあくまで目安なので、他のサイトと比べて自分のサイトは直帰率が高い…と心配する必要はありません。(サイトに問題があって直帰率が高くなってしまっているケースももちろんあります)
SEO的に直帰率って高いとまずいの?
先に言ってしまうと、SEO的に直帰率はあまり気にする必要はありません。直帰率を低くすればその分サイト内を回遊してくれるため、SEOで有利になると言う人がいますが、あまり効果はないと思われます。
本当に検索エンジンが直帰率が低いサイトに高評価を与えるのであれば、検索でヒットするページの次のページに答えを掲載するようなサイトが検索順位で上位に表示されることになります。ユーザーからすると、わざわざもう1ページ閲覧しなければならないので使いづらいサイトですよね。ユーザーファーストの姿勢を取っているGoogleがそんなページを上位に表示するわけがありません。したがって、SEOのために直帰率を無理して下げる必要はないと考えられます。
直帰率を意識しないといけない場合
ここまで直帰率をそこまで気にしなくていいとご説明してきましたが、キャンペーンページ(ランディングページ)やトップページは直帰率をできるだけ低くした方がいいです。
キャンペーンページは商品やサービスなど、ユーザーに紹介したい情報を宣伝するページになります。キャンペーンページで興味を持ったユーザーは、その先の登録画面であったり、詳細な情報が掲載されているページに遷移するでしょう。そのため、キャンペーンページはユーザーの直帰率をチェックし、高くなってしまっていれば改善する必要があります。
次に直帰率を気にしないといけないページは、トップページです。トップページはWebサイトの入り口となり、ブックマークやリンクとして掲載される場合も多いです。このトップページの直帰率が高い場合は、サイトの作りが分かりづらかったり、ページの読み込みが遅いなどの理由でユーザーが離脱してしまっている可能性があります。また、ブログやメディア系のサイトだと新しい記事が追加されていないか確認しにきたユーザーも多いため、直帰率が高いということはユーザーの期待に応えられなかったと考えることもできます。
キャンペーンページやトップページなど、他のページへの導線になるようなページは、意識して直帰率を下げるような工夫を加えたほうがいいでしょう。
直帰率の改善方法
では、直帰率を下げるための具体的な対策法をご紹介していきたいと思います。
ページの読み込み速度を速くする
ページの読み込み速度が遅いほど、読み込みが完了する前にユーザーが離脱してしまう可能性が高くなります。せっかくサイトに訪れてくれたユーザーを、コンテンツではなくてページの読み込み速度のせいで離脱させてしまうのはもったいないですよね。
ページの読み込み速度は、Googleの「PageSpeed Insights」というサービスで確認し、改善方法を確認することができます。モバイルとPCのそれぞれでスコアが算出され、100点満点で数字が大きいほどページの読み込み速度が早いページということになります。
まだ試したことが無いという方は、ぜひ一度ご自身のWebサイトの読み込み速度を確認してみてください。
内部リンクを増やす
例えばキャンペーンページの場合、そのキャンペーンに興味を持ったとしても次のページへ進むリンクが無ければ同頑張っても直帰率を下げることはできません。
キャンペーンの全体を紹介し、最後に詳細な情報が掲載されているページや申込みへ進むページへのリンクを掲載してしまいがちですが、最後まで読まないと次に進めないような作りになっているページは直帰率が高くなってしまいます。
ページを見ている途中ですでに申込みへ進みたいと思っているユーザーもいるでしょうし、ユーザーによって興味を持つポイントは様々です。ページの要所要所に次のページへのリンクを貼っておき、ユーザーが気になったタイミングで次のページに進めるような作りにすると直帰率を下げることができます。ページの上部に固定で表示しておくのも有効な対策でしょう。
ページのデザインにこだわる
例えば何か情報を探して検索した時に、検索結果のサイトにアクセスしたらめちゃくちゃダサいWebサイトだったら何も読まずに検索結果に戻ってしまいますよね。他にも、古くから更新されていないようなデザインのサイトだったら、掲載されている内容も古い情報だと思われてしまうかもしれません。
逆に、サイトのデザインが優れていて読みやすかったりユーザーが好みのデザインだったら、気になってページをしっかりと読んでくれるかもしれません。直帰率を下げるためには、デザインをしっかりと考えたページを作ることが大事です。
読みやすく、読みたくなるページを作る
ページがごちゃごちゃしていたり、文字が読みづらかったりするとユーザーはページを読んでいる途中で離脱してしまう可能性があります。他のページも見てみたいと思ってもらうためには、コンテンツの読みやすさに注意してWebサイトやページを作るようにしましょう。
また、コンテンツの書き方にも注意が必要です。文字数を稼ぐためにグダグダと色々な情報を掲載してしまっては、読む側も途中で疲れてしまい、離脱してしまう可能性があります。ユーザーに読みたいと思ってもらうためには、重要な情報は分かりやすく表示し、必要でない情報は無理に掲載しないことが大切です。
関連コンテンツを掲載する
ブログやメディアで多く見られる関連コンテンツですが、そのページの内容に関連するページへのリンクを記事の終わりなどに掲載することで、次の記事も読んでもらえる可能性が高まり、結果として直帰率が低下します。
本サイトでも関連記事の掲載を行っていますが、WordPressなどを利用していれば、プラグインを導入することで簡単に関連記事を表示することが可能です。
また、ブログやメディアに関わらず、例えばコーポレートサイトの事例紹介ページなどで、コンテンツの最後に他の事例ページへのリンクを掲載しておけば、ユーザーはスムーズに次の事例ページを開くことができます。このリンクが掲載されていなかったら、わざわざ1つ前のページに戻って次の事例を探すことになってしまいます。
まとめ
直帰率はWebサイトのKPIとして重要な数字ですが、ただ単純に低いほうがいいというわけではありません。
SEOの観点からも、ただ直帰率を下げれば有利になるわけではないです。あくまでユーザーにとって有益で使いやすいWebサイトかどうかという観点からサイトやコンテンツ作りを行うことが大切です。そうしていれば、自然とSEOの効果が高いWebサイトを作ることができるようになります。
SEO対策のポイントは、下記の記事で確認してみてください。
直帰率についてそこまで深く考える必要はないかもしれませんが、WebサイトやWebページを制作する上で参考にしなければならない数字の1つです。しっかりとした知識を持ち、ページの改善へとつなげてみてください!