WebサイトやサービスのUI/UXデザインを行う時に、ブランディングを意識してデザインを行うのは当然ですが、それだけでなく、ターゲットユーザーにとって印象がよく、使いやすいものにしなければなりません。
そこで役立つのが「ペルソナ」の設定です。今回は、UI/UXデザインにおいてペルソナを設定するメリット、上手くペルソナを設定するためのポイントなどご紹介したいと思います。
INDEX
ペルソナとは
ペルソナ(Persona)とは、商品やサービスを利用する最も典型的なユーザー像のことを意味しています。ユーザーペルソナ(User Persona)とも言われます。
Webサイトやサービスの種類によって、当たり前ですが利用するユーザーの年齢、性別などそれぞれ異なります。
ペルソナを設定してからデザインを作成することによって、実際にそのデザインに触れるユーザーを具体的にイメージすることができるため、より使いやすく、親しみやすいデザインを作り上げることができます。
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを作るのは手間だという人もいるかもしれません。そんな時は、下記のようなメリットを説明することで、きっとペルソナ設定に協力してくれるようになるでしょう。
ユーザーの視点でデザインできる
デザイン制作におけるありがちな失敗の1つに、制作側の作りたいものは作れたがユーザーにそれが受け入れられないということがあります。これは、利用ユーザーがどういったユーザー層でどういったデザインを好むのかといったことが考えられていないことが原因であることが多く、ペルソナを設定することによって失敗を減らすことができるのは明確ですね。
ペルソナを設定することでユーザーを具体的にイメージすることができるため、実際にその商品やサービスが使われる状況をイメージしながらデザインを制作することができます。
意思決定がスムーズになる
チームで制作を行う場合、色々な立場の人が絡んでくるためそれぞれの視点で物事を考えるため、なかなか意思決定が進まなくなることがあります。そうすると、スケジュールが厳しくなるだけでなく、使える時間がどんどん減ってしまうためサービスの質自体も落ちてしまいます。
ペルソナを設定することによって、メンバー間で利用ユーザーを具体的にイメージしながら会話ができるようになるので、スピード感を持って意思決定が行えるようになります。
優先すべきものが見えてくる
ペルソナを設定することで具体的なユーザー像ができあがるので、その人にとって重要なものは何なのかを考えることができます。
サービスの制作時は様々なタスクが山積みになっているため、どれが優先すべき事項なのか判断できなくなってしまうことも多いですが、そんな時はペルソナにとって重要なことは何かを考えてみることによって、改めてタスクの優先度付けを行うことができるようになります。
ペルソナを設定する
まずは、ペルソナとなるユーザー層の様々な特徴を想像してみましょう。下記のリストを参考にして、自身のサービスのペルソナを設定してみて下さい。チームで行う場合は、付箋とホワイトボードを使用して各々考えているものを貼っていくのがおすすめです。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 性格
- 目標
- 価値観
- よく使用するデバイス
- 居住地
- 収入
- 趣味
- 家族構成
- 生活リズム
- 平日・休日の過ごし方
家族構成や居住地なんて関係あるの?と思うかもしれませんが、できるだけ詳細にペルソナを設定することが重要です。これでもか、という所まで詳しくペルソナを設定してみて下さい。
上手くペルソナを設定するコツ
次に、具体的なペルソナの設定方法についてご紹介していきたいと思います。どれだけ細かくペルソナを設定しても、それが的外れだと意味がありません。下記のポイントに注意してペルソナを作成してみましょう。
イメージだけで行わない
利用ユーザー層をイメージだけで設定しないようにしましょう。ペルソナ設定は、デザインに限らずWebサイトやサービスの企画など、様々な場面で活用することができ、サービスの質の向上へと直結します。
ただし、ペルソナ設定が間違っている場合は気をつけなければなりません。例えば10代〜20代の学生がターゲットだと思っていたら、実は30〜40代の主婦の方が多く利用していた場合、ここで設定するペルソナは全く意味をなさないものになってしまいます。
データを元に利用ユーザー・ターゲットユーザーをセグメントに分割していき、それぞれのセグメント毎にペルソナを設定していきます。予算に余裕があれば、実際にユーザーインタビューを行ってみるのもおすすめです。そうすることで、よりリアルなペルソナを設定することができ、良いサービス設計を行うことができるようになります。
ペルソナ毎にストーリーを立てる
ペルソナが設定できたら、次はそのWebサイトやサービスとそのペルソナがどのように接点を持ち利用するのか考えてみて下さい。Webサイトであれば、検索して見つけるかもしれませんし、SNSのシェア、友人に教えてもらったのかもしれません。まずは、ペルソナがどのように接点を持つのか考えてみましょう。
次に行うのが利用する時のストーリーです。もしかしたらサイトにアクセスするだけで、サービスは利用してくれる場合もあれば、サービスを利用しない可能性もあるでしょう。そこで、なぜそのペルソナはサービスを利用してくれたのか、もしくは利用してくれなかったのかを考えることで、潜在的な強みや課題が浮かび上がってくることがあります。
ペルソナ設定の活用法
ペルソナによって親しみやすく、使いやすいデザインは様々です。Webサイトのデザインを例にして、ペルソナに相応しいデザインがどのようなデザインなのか考えていきましょう。
- 年齢:10代〜20代
- 性別:男性
- 職業:学生
- 性格:新しいもの好き、飽きやすい
- よく使用するデバイス:iPhone
- 趣味:ネットサーフィン、YouTube
上記ようなペルソナを設定したとします。実際はもっと深くペルソナをイメージするのが好ましいですが、今回はこちらのペルソナに対してどういったデザインが適しているか考えてみます。
年齢層が若いので、デザインも分かりやすさよりはかっこよさやおしゃれさを重視したほうが良さそうです。学生でよくiPhoneを利用しているため、スマホ用のページを重視したモバイルファーストデザインで制作するべきでしょうか。おそらくSNSなどもよく使っているため、SNSのシェアボタンは目立つ位置に設置したり、SNSと連動したサイト制作を行った方がより使われるWebサイトになりそうですね。
このように、ペルソナを設定することでユーザー目線でデザインを考えることができます。ストーリー立ててペルソナがサービスを利用するシーンをイメージすることによって、様々な課題が浮き彫りになってくるはずです。そ
ペルソナ設定に役立つツール
もちろんツールを使わずにペルソナを設定することはできますが、初めてペルソナを設定する場合はツールを活用することで抜け漏れを防ぐことができます。
Xtensio User Persona Creator
こちらは海外のペルソナ作成ツールです。無料で利用することができ、クオリティの高いペルソナシートを作成することが可能です。
まとめ
これからスタートするサービスの場合は想像でしかペルソナの設定を行うことができませんが、すでに運用が始まっているWebサイトやサービスの場合は、Googleアナリティクスやその他のデータから年齢、性別などのデータを取得することができます。
逆に言うと、上手にペルソナ設定をするためには利用ユーザー層を取得できるような仕組みを設計に取り入れなければなりません。
一度、ご自身が関わっているWebサイトやサービスのペルソナについてチームで考えてみて、デザインの改善ポイントを探してみてはいかがですか?