ロゴデザインは、グラフィックデザインの中でも主要で重要な分野の1つです。しかし、グラフィックデザインのトレンドと比べるとロゴデザインのトレンドはすぐに変化せず、毎年大きな違いが見いだせるわけではありません。
その大きな理由の1つは、「ロゴの寿命が長い」ということにあります。ロゴは場合によって最大10年、もしくはそれ以上長く使われることもしばしばあります。そういった状況ですが、デザイナーは常にモダンでシックなロゴを作らなければなりません。
今回は、2020年に流行する10個のロゴデザインのトレンドをご紹介したいと思います。
この記事は、GraphicMamaによって公開された「Logo Design Trends 2020: A Blast of Colors and Shapes」を許可をいただいて翻訳転載したものです。
INDEX
2020年のロゴデザイントレンドの概要
2020年のロゴデザインのトレンドを短い動画にまとめました。詳しく知りたい方は、1つ1つのトレンドについて詳しくご紹介しているので、チェックしてみてください。
1. アニメーションを加えたイラスト
イラストを用いたロゴは、楽しさやワクワク感、陽気な雰囲気を生み出します。イラストを使ったロゴを採用する企業の多くは、ひと目で潜在顧客のハートを掴み取りたいという考えを持っています。
2020年は、イラストを用いたロゴを注目すべきというだけでなく、イラストにアニメーションを加えるスタイルが増えることでしょう。
アニメーションを加えることによって、イラストの楽しさを強調したり、顧客にブランドをより身近に感じてもらえることができます。
アウトラインで描いたイラスト
マーカーで描かれているような太いアウトラインのロゴイラストは、2020年のロゴデザインのトレンドとして多くのロゴに採用されることでしょう。
あまり細かく表現しないことによって、小さくても大きくても見栄えに優れたロゴを作ることができるというメリットがあります。
フラットなイラスト
イラストを使ったロゴはシンプルなものが好まれ、間違いなくフラットスタイルのイラストは最もシンプルなイラストのスタイルの1つです。
下記の例の前半の2つは比較的細かくイラストが描かれていて、後半の2つはシンプルなシルエットだけで描かれたイラストが使われています。それぞれのイラストに楽しく魅力的なアニメーションが加えられていますね。
落書き風のイラスト
キャラクターデザインやグラフィックデザインのトレンドの中で最近人気の落書き風のスタイルは、2020年のロゴデザインのトレンドにも現れてくるでしょう。
落書き風のイラストは、鉛筆やマーカーを使ったお絵かきやスケッチに似ています。イラストロゴのデザインにこのスタイルを取り入れることによあり、シンプルで、手書きでささっと作られたようなようなポップな雰囲気のロゴを作ることができます。
2. 白黒のアニメーションが加えられたロゴ
ロゴデザインを白と黒の2色で作ることはよくあります。それらは上品かつシンプルで、目立ちすぎず、あらゆるデザインとの相性に優れています。
多くの場合、ブラックバージョンとホワイトバージョンのロゴはカラフルなロゴを元にサブバージョンとして作られますが、白と黒の2種類のロゴだけで十分な場合もあります。
3. テキストをアレンジしたロゴ
ロゴは通常、隠された意味を持っていたり、見た目で伝わるように意味が込められていたりします。ブランドの最も重要な価値を表現したり、ブランドの活動を表現するかに関わらず、デザイナーは様々なテクニックを使ってシンプルなロゴで何かを伝えようとします。
よく見かける人気の手法の1つに、テキストの余白にイラストを溶け込ませるというテクニックがあります。
4 シンプルな幾何学図形のロゴ
幾何学図形を組み合わせて作られたシンプルなロゴは、よく見かける定番デザインの1つです。
特にミニマルなロゴデザインは、好まれて使われるスタイルの1つで、目立ちすぎず、あらゆる種類のブランドアイデンティティを簡単かつ分かりやすく表現することができます。
より強く印象づけるために、ブラックバージョンとホワイトバージョンに加えて特徴的なカラーが使われたものが作られる事が多いです。
四角形は安定感やバランス感を表現する図形で、ブランドは自身のイメージを伝えるために四角形を使ったロゴが採用されます。2020年のロゴデザインのトレンドに四角形を使ったロゴが登場するのは明らかですが、場合によって余白を使ったテクニックを使って隠されていることもあるでしょう。
ラインをベースにしたスタイルのロゴはミニマルデザインのロゴの代表的な例の1つで、すべての基本的な形状の複合要素となります。
2020年のロゴデザインにおいては、ラインベースのロゴは自由さ、開放感、シンプルさ、エネルギッシュなイメージを伝えます。正確な形を作り上げるか、隠されたメッセージを伝えるか、また濃いか薄いかによらず、2020年は素晴らしいミニマルデザインのロゴが”線”によって作られるでしょう。
一方で、曲線はダイナミックさや創造性というイメージを生み出します。曲線を使えば、デザイナーはあらゆる形をつくることができます。2020年には、平行な曲線や複雑な曲線、装飾された曲線や、ロゴタイプに埋め込まれた曲線など様々な種類のロゴを目にすることになるでしょう。
丸みを帯びた円形のロゴとロゴタイプは、2020年に人気を集めると見られています。基本図形の1つとして、円は強力で隠されたイメージを伝えることができます。円形を使って作られたロゴは、完璧さや無限の可能性というイメージを与えることができます。さらに、ロゴタイプでは、太くて濃いフォントと円を組み合わせることで強いメッセージを伝えることができます。
丸みを帯びたフォントや図形で「∞」の記号を作る手法は2020年も非常に注目のテクニックの1つです。いつまでも続くエネルギッシュさというのは、多くのブランドが伝えたいメッセージですね。2020年、デザイナーは∞の記号をロゴに採用し、そしてデザイン全体はシンプルに作り上げることでしょう。
5. グラデーションを使ったロゴ
グラデーションを使ったロゴは2020年も継続してトレンドの1つとなるでしょう。グラデーションを取り入れることにより、シンプルなロゴで多くの情報を伝えることができます。
1つの色から別の色へのシームレスな変化は、ダイナミックで魅力的なロゴを作り上げることができます。
複数色のグラデーション
最近のロゴデザインでよく使われるグラデーションのスタイルの1つは、明るく、はっきりとした色を使って美しいパレットを作る方法です。目的に合わせて、夕日の色など自然現象を描写したり、独創性と革新性を語る未来的で夢の中の世界のような外観を生み出すことができます。
類似色のグラデーション
場合によって、ロゴをよりシンプルにするため、もしくはブランドイメージを表現するために、配色を限定したり1つの色しか使えないことがあります。これはグラデーションを使用してダイナミックなロゴを作ることができないというわけではありません。ロゴデザインに類似色を使ったグラデーションを取り入れることにより、ブランドアイデンティティを維持しながらより印象的なロゴを作り上げることができます。
6. レトロスタイルのロゴ
レトロスタイルは、ロゴデザインに限らず、2020年のデザイン全般における大きなトレンドの1つです。
古紙のようなエフェクト、グランジ、レトロ風のパターン、パステル調の配色など様々な表現方法がありますが、レトロなデザインは大きな復活を遂げ、さらにこれまで以上にモダンに見られるようになるでしょう。
7. メタリックで刻印風のロゴ
ゴールドやシルバーなどのメタリックなエフェクトをロゴに取り入れるスタイルは、高級で洗練された印象を生み出します。2020年は、メタリックエフェクトをロゴタイプやロゴマークに加えるスタイルは間違いなく人気のスタイルとなるでしょう。
名刺、ラベル、資料などの物理的な素材にメタリックな素材でロゴを刻印することで、オリジナリティがあってオーダーメイドで作られたような特別感を生み出します。
8. カスタムフォント・ロゴタイプ
2020年のロゴタイプは、写真よりもより多くのことを伝えます。特にロゴのためにカスタムフォントを作ることは、非常に有効な選択の1つです。
ワードそのままを文字通りに表現するか、隠されたイメージで顧客に伝えるかなど使い方は様々ですが、オリジナリティの溢れたロゴタイプは2020年のロゴデザインのトレンドの1つとなるでしょう。
9. 3Dとアイソメトリックのロゴ
アイソメトリックのロゴにと3Dエフェクトの組み合わせは、2020年も継続してトレンドの1つであり続けるでしょう。3Dオブジェクトを2Dの世界で表現することにより、平面的な深みを生み出すことができるという点がこのスタイルの大きなメリットの1つです。
グラデーションやアウトラインスタイル、明るい配色などの他のトレンドと組み合わせた様々なアイソメトリックなロゴを2020年は見かけることになるでしょう。
10. 半透明な図形を使ったロゴ
半透明の要素を使うスタイルは、とてもモダンなスタイルであり、2020年も継続してトレンドの1つであり続けると予想されます。半透明のロゴはスタイリッシュに見えるだけでなく、ブランドの「透明性」という重要なイメージを伝えることができます。
まとめ
2020年のロゴデザインのトレンドは、非常に多様なスタイルが現れています。シンプルな幾何学図形と線で作られたミニマルデザインのロゴ、アニメーションを使ったイラストのロゴ、オリジナリティのあるロゴタイプ、グラデーションを使ったりカラフルなロゴ、印象的な白黒のロゴ、上品なメタリックで刻印風のロゴなど、色々な種類のロゴを見つけてみましょう。
どんなロゴが登場するのか、今から待ち遠しいですね。