プロダクトやプロジェクトの規模が大きくなってくると、チームでのデザイン制作作業を行わなければなりません。
1人でデザイン制作をする場合は、自分の中でルールを決めればデザインを作ることができますが、チームでデザイン制作を行う場合は、チームで統一されたルールを決めて作業を行うことになります。
チームでデザイン制作を行うためにぴったりの方法が「デザインシステム」の導入です。(もちろん、1人でデザインを制作する場合でもデザインシステムを導入するメリットはたくさんあります。)
デザインシステムを導入することによって、複数人でデザイン制作を行う場合でも統一感の取れたデザインを作ることができたり、デザインの管理がしやすくなるなど、様々なメリットがあります。
今回は、デザインシステムについて詳しく書かれた書籍「Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド」についてご紹介したいと思います。
Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド
「Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド」は、「デザインシステム」に関する基本的な知識から、現場で導入するための具体的な実践方法について書かれた書籍です。
著者の「アラ・コルマトヴァ」さんは、世界各地のカンファレンスで講演を行っている人物で、自身の経験を元にデザインシステム構築のためのリアルな方法が詳しく紹介されています。
本書籍を通して、下記のことについて学ぶことができます。
- 「デザインシステムとは何か」
- 「どういうシーンでデザインシステムが使われるのか」
- 「デザインシステムをどうすれば導入することができるのか」
少しアカデミックな内容になっているため、一度読んだだけで全体を理解することは難しいかもしれませんが、何度か繰り返しよむことによってデザインシステムの本格的な知識を身につけることができます。
ビジュアルおよびインタラクションデザイナー、UX実務者、フロントエンド開発者(HTML、CSS、JavaScript実装者)をターゲットに書かれた書籍なので、デザイナーはもちろんフロントエンドエンジニアの方が読んでも優れた知識を身につけることができます。
キーワード
「デザインシステム」という言葉を聞いてピンと来ない方も多いと思うので、ここで本書籍に登場する主要なキーワードについて少しご説明しておきます。
デザインシステム
書籍の中で、デザインシステムは下記のように定義されています。
つまり、プロダクトの目的を達成するための統一したルールの元でデザインを制作するためにデザインシステムが用いられます。
デザインパターン
デザインシステムの定義にも「パターン」という言葉が登場していますが、デザインパターンについては書籍の中で下記のように定義されています。
つまり、簡単に言ってしまうとデザイン制作におけるコンポーネントやパーツのことです。デザインパターンを取り入れることによって、デザインの管理がしやすくなったり、統一感の取れたデザインを制作できるようになります。
この書籍を通して学べること
書籍は大きく分けて基本編と応用編に分けられており、それぞれ下記の内容について知識を身につけることができます。
- 基本編
- 基本編では、「デザインパターンとは」ということについて詳しく説明されています。
「デザインデータを上手く管理する方法は無いのか」と考えているような方は、基本編に目を通すだけでもデザインシステムやデザインパターンへの考え方を身につけることができるでしょう。 - 応用編
- 応用編では、デザインシステムを確立し、しっかりと現場で運用するための実用的な手順やテクニックが紹介されています。
「デザインシステムとは何か」を知りたい人は前半を読むだけでも十分な知識を得ることができるでしょう。
こんな人におすすめ
デザインシステムを導入することにより、次のようなメリットがあります。
- チームでのデザイン制作が円滑になる
- 統一感の取れたデザインが制作できる
- デザインの管理を行いやすくなる
そのため、下記の人が「Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド」を読むと現場で役立てることができるのではないでしょうか。
- デザインチームのマネージャー、リーダーをやっている人
- 大型のプロダクトのデザインを行っている人
- 理論に基づいてデザイン制作を行いたい人
- デザイン制作をチームで上手く行う方法を学びたい人
- アセットをコンポーネント化してスマートに実装したいフロントエンドエンジニア
ぜひ、デザインシステムに関する知識を身につけて、デザイン制作のプロセスを見直してみてはいかがですか?
書籍の目次
- 1章 デザインシステム
- 2章 デザインの原則
- 3章 機能型パターン
- 4章 認知型パターン
- 5章 言語
- 6章 システムの属性
- 7章 計画と実践
- 8章 機能型パターンのシステム化
- 9章 認知型パターンのシステム化
- 10章 パターンライブラリ