2020年のグラフィックデザインはどんなスタイルがトレンドとなるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
様々な角度から調査を行い、人気が高まっているグラフィックデザインのスタイルをまとめました。
今回は、2020年に流行する13個のグラフィックデザインのトレンドをご紹介したいと思います。
この記事は、GraphicMamaによって公開された「Graphic Design Trends 2020: Breaking the Rules」を許可をいただいて翻訳転載したものです。
INDEX
2020年のグラフィックデザインのトレンド
2020年のグラフィックデザインのトレンドを下記の動画で簡単にご紹介しています。もし気になるトレンドがあれば、ぜひスクロールして詳細をチェックしてみてください。
1. 3Dグラフィックとリアリティ
2019年は、これまでで最も3Dグラフィックが注目された年となりましたが、この人気はしばらくの間トレンドとして継続していくでしょう。技術の発展やソフトウェアの進化によって、2020年はさらに優れた3Dグラフィック作品がたくさん登場することになるはずです。
また、写真や2Dオブジェクトと組み合わせて3Dグラフィックを使用することによって、よりクリエイティブな作品が登場するでしょう。
2. モノクロデザイン
近年、単色のカラーエフェクトが使われているグラフィックデザインやWebデザインが増えてきています。
2017年に、デュオトーンがグラフィックデザインのトレンドになったのを覚えていますか?それから3年経過しましたが、現在ではさらにシンプルなスタイルが人気を集めているようです。
モノクロのカラーフィルターは、写真に使われたり、デザインの一部分に使われるなど、幅広く登場しています。下記の例を見てみてください。
3. 光り輝くメタリックデザイン
メタリックな質感をグラフィックデザインの中で使うことは、ブランディングやプロダクトデザインの中で非常に人気のデザイン手法です。
一般的に、メタリックデザインはそれ自体に注目を集めるため、ミニマルデザインと組み合わせて使用される事が多いです。また、豪華で、品があり、美しいデザインに仕上げるためにゴールドが使用されているケースをよく見かけます。
また印刷物などでゴールドの質感を再現できない場合には、マットな素材の上に艶のある質感で印刷すれば同様に表現することができます。
よりメタリックな質感を強調するために、名刺などの印刷物に使用するとさらに効果的です。
4. タイポグラフィの流行
クリエイティブでモダンなデザインに仕上げるために、タイポグラフィ制作に多くの時間が使われるようになっています。このトレンドは2020年大きな注目を集めるでしょう。
美しい花々や、幾何学的な図形、クリエイティブな要素でテキストを装飾することにより芸術的にデザインされたタイポグラフィは、多くの人の注目を集めるという目的の場合、非常に効果的なデザイン手法となります。
2019年のトレンドにもなっていた巨大なタイポグラフィを取り入れることによって、さらに芸術性を高めることができます。
巨大なタイポグラフィは定番のデザインとなり、今後もよく見かけることになるでしょう。また、巨大なタイポグラフィをより大きくするために複数行に渡ってテキストを配置したものが多くなるはずです。
太字のフォントを使ったタイポグラフィは、グラフィックデザインの世界に溢れています。様々な作品に使われており、ロゴ、ポスター、Webデザイン、パッケージデザインなどでも使用されています。
場合によっては、枠をはみ出すほど大きなテキストが配置されていることもあります。
2020年のタイポグラフィに関するもう一つの大きなトレンドは、テキストを使って図形を描くというデザイン手法です。くるくると円を描くようにテキストを配置したり、オブジェクトのカーブにそってテキストを配置するなど、図形とテキストを組み合わせて使用するスタイルが人気を集めています。
図形は平面図形に限らず立体の図形の場合もあります。「BOX」というテキストを「箱」の形にして表示するなど、テキストの意味をモチーフにした図形を描くことで、さらに優れたデザインを作ることができるでしょう。
透過されたタイポグラフィも注目が高まっており、2020年は色々な所で見かけることになるでしょう。複数のテキストを重ねて表示し、背面のテキストを透過させる「ダブルタイポグラフィ」や、写真などテキスト以外のの要素の上にシンプルな半透明なテキストが配置された作品をよく見かけます。
5. 画像やテキストのマスキング
画像やテキストを使ったマスキングは、特に目新しいデザイン手法ではないかもしれませんが、2020年はまだまだモダンなスタイルの1つです。画像の一部分に絞って表示することによって、神秘的でミニマルな印象に仕上げることができます。
巨大なタイポグラフィと組み合わせて使うことによって、さらに優れたデザインを作ることができます。下記のデザイン例をご覧ください。
6. ラインアート
2018年と2019年に人気を集めたテキストやオブジェクトをアウトラインで表現するデザイン手法は、イラストに使用されたり、アニメーションの中で使われるようになりました。
元々、ラインアートは情報を図式化したり、シンプルに表現する際に多く使われるスタイルなので、コンセプトやアイデアを伝える時にぴったりです。美しく、エレガントで、控えめなデザインを作り上げることができます。
ラインアートは、2020年のグラフィックデザインのトレンドの中でも多くの人に好まれるスタイルの1つとなるでしょう。
7. 落書き風イラストと写真の組み合わせ
教科書の落書きを想起させるような落書き風イラストと写真の組み合わせは、グラフィックデザインの中でとても面白くクリエイティブなトレンドとなっています。
落書き風のイラストは、イラストデザインの中で1つのトレンドとして注目され始めましたが、その後すぐに様々なWebサイトの中で見かけられるようになりました。
これをグラフィックデザインの中で使用すると、親しみやすさがあり、手作りされたような温かみを持ったデザインを生み出します。
写真の中の一部の要素を落書き風のイラストに置き換えたり、組み合わさったデザインをよく見かけるようになっています。
このスタイルはの幅広いジャンルのデザインに使われていて、間違いなく注目すべき2020年のグラフィックデザインのトレンドの1つです。クリエイティブでオリジナリティのある作品を作ることができるでしょう。
8. シンプルなイラスト
グラフィックデザインの中でイラストを使うことは、特に目新しいスタイルではありません。コンセプトやアイデアを表現し、分かりやすくメッセージを伝えるためには、イラストは非常に頼れる存在です。
2020年のグラフィックデザインのトレンドにおいては、余計な要素が削ぎ落とされたシンプルなイラストが注目を集めることになるでしょう。
細部を装飾を削ぎ落とすことによって、デザイナーはイラスト制作自体ではなく、その作品が伝えるメッセージを考えることに、より多くの時間を割くことができます。
2020年には、イラストはよりシンプルで、大雑把で、場合によっては幼稚に見えるようなスタイルが流行します。
9. アイソメタリックイラスト
アイソメトリックのイラストはここ数年デザインのトレンドとして定着し続けていますが、様々な形に変化しながら使用されています。
インフォグラフィック、Webデザイン、プレゼン資料などに使用される事が多いですが、平面的な世界の中で立体的な世界観を作り出すことができる点が、人気を集めている理由の1つです。
2020年には、モーションデザインとの組み合わせも注目されています。アイソメトリックイラストは、アニメーションと組み合わせることによって、非常に強力なデザインとなります。
また、アイソメトリックイラスト自体もよりリアルに表現される傾向にあります。
10. 素朴な色を使ったヴィンテージスタイル
過去に注目を集めたもののすでに忘れ去られたスタイルが、もう一度流行の最先端として登場するということはよくあります。しかし、1950年代のスタイルは人々に忘れ去られることなく、現在でも多くのデザイナーが影響を受けており、インスピレーションの源です。
ヴィンテージスタイルは、素朴なカラーと手書きのインクを使ったようなイラストを組み合わせることによって、Webデザインやグラフィックデザインに懐かしさを感じるような雰囲気を生み出します。
ヴィンテージスタイルは、ブランドアイデンティティやパッケージデザイン、タイポグラフィなどに使用されます。2020年は、グラフィックデザインに限らず様々なジャンルのデザインにこのスタイルが使われることになるでしょう。
11. パターンとテクスチャ
フラットデザインがWebデザインを支配していた時、パターンやテクスチャなどを使ったスタイルは忘れ去られていました。しかし、現在ではパターンとテクスチャを使ったデザインが増えてきています。
ただし以前とは異なる使われ方をされている点もあり、2020年は、1つのデザインの中で複数のパターンを組み合わせたスタイルが定番のスタイルとなるでしょう。
12. 幾何学図形を使ったデザイン
グラフィックデザインやアートに関して、すべてのデザインは基本的な幾何学図形の組み合わせで作られていると言われます。
シンプルなスタイルは近年非常に高い人気を誇っているため、幾何学図形を使用するスタイルの人気も高まっており、2020年のグラフィックデザインのトレンドの1つとなるでしょう。
幾何学的なデザインはシンプルに見えるかもしれませんが、実際にはそれを使って作品のメッセージを分かりやすく伝えるためには、かなり手間がかかります。
13. 流体シェイプ
エッジがしっかりと描かれている幾何学的なデザインに対して、流体シェイプはクリエイティビティや、敏捷性、動きを表現することができます。丸みを持たせることによって、スムーズでソフトな見た目に仕上げることができます。
これは間違いなく2020年のグラフィックデザインのトレンドであり、透過や鮮やかな配色、グラデーションやアニメーションなどのエフェクトと組み合わせて使われることが多くなるでしょう。
まとめ
2020年のグラフィックデザインにおいて、タイポグラフィ、魅力的な配色、レトロスタイル、ラインアートや落書き風のイラストなど、幅広いトレンドが注目されることになりそうです。
ぜひ上記でご紹介したトレンドを使ったデザインに挑戦してみてください!